高齢者うつ病の症状
高齢者のうつ病患者さんでは、身体的な訴えが多い傾向があります。そのため、精神科や心療内科に受診せず、内科やほかの身体科に相談されているケースが多く見受けられます。
高齢者で多彩な身体症状が同じ時期などに出現した際には、身体疾患のみならずうつ病が存在している可能性もありえます。
また、高齢者のうつ病では、気分の落ち込みも当然ありますが、それよりも思考の制止や注意力の低下、意欲の低下のため判断力や記憶力の低下が生じ「うつ病性仮性認知症」と呼ばれ認知症との鑑別が必要になってきます。
また、うつ病が改善した後でも認知機能の低下が残存したり、認知症への移行も懸念されています。そのため、高齢者のうつ病については、早めの適切な治療が必要と考えられています。
うつ病とアパシー
うつ病の抑うつ状態と似た状態に「アパシー」というものがあります。「アパシー」は認知症だけでなく脳梗塞などの脳卒中や様々な神経疾患などにもみられることがあります。症状としては、意欲(モチベーション)の低下があり感情がなくなったり、いろいろなことに無関心になったり自発性の低下があり行動できなくなるなどの症状がみられます。うつ病との違いは、うつ病では「こんな風になってしまった」という自責感や悲壮感がありますが、アパシーではただただ意欲がないのが特徴的です。
高齢者のメンタルヘルスでは、早めの治療やケアが今後の生活にとても重要になります。
少しでも気になる症状があれば、早めに精神科、老年精神科や心療内科などにご相談してみてはいかがでしょうか?
うつ病に関するお悩みやリワークのご相談は専門家へ
衣ヶ原病院では、複数の精神科専門医や認知症専門医が在籍しております。お困りの症状があればぜひご相談ください。