こころの病(うつ病など)について
こころの病(うつ病など)は、薬物療法で症状がよくなっても、再発しやすい病気です。
その要因の一つとしてストレス(日常生活上などの)があります。
たとえ一時改善しても、社会に出てストレスにさらされてしまうと再び悪化してしまうこともあるため、ストレスの受け流し方を考える必要があります。
ストレスと認知
そもそも私たちはストレスをどのように感じているのでしょうか。
私たちは、ものごとを受けとめ「認知」しています。
その物事をどのように受けとめて感じるかにより、「よいこと」「よくないこと」かにわけています。
こころの病(うつ病など)がある人は、その認知にクセがあり、ものごとをマイナスに受けとめたり思いこんだりすることがあります。
つまり、こうした物事のとらえ方を修正していけば、病気の悪化を防ぐことができるでしょう。
思考パターン(考え方のクセ)
うつ病などでのよく起こりがちな考え方のクセには次のようなものがあります。
・過剰な一般化・・・ネガティブなできごとを、一般的なことと思い込むこと。仕事上のミスをすると、人生が終わったような思いにとらわれたりします。
・ネガティブ思考・・・良いことも悪い方へと解釈します
・結論の飛躍・・・物事の最悪の結論を予測してしまう。友人を誘ったら断られた、注意されたことなどを「自分のことが嫌い、嫌われている」と思い込む
・全か無か思考・・・100点がとれなければ0点と同じだと思う
このようなパターンに陥ってないか?
どんな時にどの思考パターンになっているか?
などに気づくことがまずはとても大切になります。
自分の思考のクセを理解していく
自分のクセに気づくことができたら、どんな時にどの思考パターンに陥りやすいか、何回しているかなどノートなどに記載していきます。
これができたら、今度は「こういう風に考えているけど、こういう考え方もあるね」という可能性を書いていきます。
その可能性のなかから、自分で受け入れやすそうなものを選び「~するのもよい」という考え方をするようにしていきます。
初めは難しいと思われますが、繰り返していくうちに徐々に自分の思考のクセを理解していくことができるようになってくるのです。
リハビリ、治療のご相談は専門家へ
当院では、気分障害などによる認知リハビリとして、認知リハ室「ここわ」を開設しております。
そこでは、遂行機能や作動記憶などの脳の基礎的な力である神経認知機能の改善ための「V-CATJ」、考え方のクセの修正のための「集団認知行動療法」、メタ認知/社会的認知リハビリとして「D-MCT、MCT」を取り入れています。
各種プログラムは、外来患者さんやリワークデイケア利用者さんなどにむけて行っています。
ご興味のある方は、各種プログラムをご利用してみてはいかがでしょうか?