精神科病院への入院について、「一度入ったら二度と出られないのではないか」「今後、社会生活ができなくなるのではないか」などのようなイメージを未だに持たれることがありますが、現在の精神科での入院治療では症状によりますが新規入院のほとんどの方が3か月で6割程度、また1年以内で9割弱退院されることが多いです。(全国統計より)
入院の環境下においては、外来治療では困難な症状の患者さんがチーム医療下での保護的な環境での治療が可能となります。
例えば、
- うつ症状が激しく、自殺企図や自傷行為が切迫した状態でできるかぎり速やかに症状の改善をはかりたい場合
- 幻覚妄想状態の悪化などにより日常生活に支障をきたした場合
- 放置すれば自傷や浪費、人間関係の悪化など回復が困難な状況に今後陥ることが予測される場合
- 自宅や職場などのストレス環境から離れて休養加療したい場合
- 認知症のBPSDがひどく介護困難の場合
などは入院治療が検討されます。
目次
精神科病棟での過ごし方
①生活療養指導
- 覚醒睡眠リズムを整えて日常生活リズムを整えます
- 栄養バランスのとれた食事による管理栄養士による栄養管理
- 日常生活能力の改善のため歯磨き・洗顔・整髪などの整容や入浴を行い清潔の保持
- 身の回りの整理整頓
- 病状が安定したら外出や外泊などの練習
②対人関係スキルや集団での過ごし方
- 医療スタッフや他の患者さまとの対人的なふれあい交流
- 病棟内レクレーションやSST(生活技能訓練)などへの参加を促します
- TV鑑賞や娯楽などへの参加も
③症状への治療方針や今後の生活などへの心配ごとの相談
- 看護師・精神保健福祉士などが入院での悩みや退院後の生活相談。
- 医師による精神療法や薬物療法への説明や指導。
- 心理師による心理療法、各種心理検査など
④作業療法
- 自己管理能力を高め、社会生活機能の回復を目的として、社会での適応や生活技術向上のために作業療法士により行われます。手工芸、絵画、陶芸、園芸、料理、音楽、ストレッチ・ヨガ、各種スポーツなど。
- ストレスケア病床などでは復職のためのプレリワークも行われることもあります
このように精神科病院では、患者様の状態にあわせて多職種によるチーム医療で治療を行います。
入院治療をお考えの方はお気軽にご相談ください
衣ヶ原病院では、個々の患者様の症状に適した病棟やプログラムでチーム医療で患者様の回復のお手伝いをさせていただきます。
入院希望等ございましたらお気軽にご相談ください。