「認知症」を疑った時、まずは「老化による物忘れ」かどうかを確認することはとても重要です。
今回は「認知症」と「正常老化による物忘れ」、軽度認知機能障害(MCI)についてご紹介いたします。
「認知症」と「正常老化による物忘れ」の違いとは
「認知症」と「正常老化による物忘れ」の違いを挙げてみたいと思います。
「認知症」では、病識が(自覚)がないことが多いです。
「正常老化による物忘れ」では、本人が不安になり病識(自覚)もあります。
記憶障害については、
「認知症」では経験やエピソード自体を忘れてしまいますが、
「正常老化による物忘れ」では、
とっさに思い出せなくてもヒントやエピソードを伝えれば思いだされます。
また、「認知症」ではほかの精神症状や行動障害が伴っていることが多いですが、
「正常な老化による物忘れ」は物忘れ以外の症状はありません。
軽度認知機能障害(MCI)とは
軽度認知機能障害(MCI)とは認知症の一歩手前の病態です。
認知症では、認知機能の低下により日常生活に支障をきたしますが、
MCIでは日常生活まで影響は出ていない状態です。
MCIの診断基準としては以下のようなものがあります。
MCIの診断基準
・本人や家族からの物忘れの訴えがある
・年齢による影響以上の記憶障害がある
・全般的な認知機能は正常範囲である
・日常生活動作などはしょうがいされていない
・認知症の診断基準をみたさない
などがあげられます
MCIは1年間に10から15%のMCIの方が
アルツハイマー型認知症へ移行するといわれています。
「認知症」か「物忘れ」か気になったら専門機関で相談を
「認知症」、「物忘れ」に関連する気になる症状が見られたら
できるだけ早めに認知症専門医療機関への受診をお勧めします。
当院では認知症の専門医による認知症外来を行っています。
認知症でお困りの場合やご相談したい場合はお気軽にご相談ください。