もしかして「双極性障害」?
気分の落ち込みや睡眠障害、意欲の低下があり「うつ病」と加療されている方の中に、
数日から数か月の間に調子が良いと感じたり、気分が高揚したり、
過活動になったりする経験がある方がみえると思います。
そのような場合にはもしかすると「双極性障害」の可能性があるかもしれません。
今回は「双極性障害」の治療についてご紹介いたします。
双極性障害の症状について
現在治療中の抑うつ気分や意欲の低下のエピソードの前に、
それ以前に憂うつで意欲のわかないうつ状態の時期と、
気分の高揚した時期があった場合には、
「双極性障害」である可能性があります。
「双極性障害」は、躁状態の期間と状態によりⅠ型とⅡ型に分類されます。
特にⅡ型の場合では、軽躁状態の期間や程度が軽いために
見逃されることもしばしばあります。
一般的に躁状態では、睡眠時間が短くなり、
そのことを苦にすることなく活動し続けたり、
気分が高揚し、考えが次々と湧いて多弁になり、
自信に満ちており、買い物をしすぎるなどといった症状を認めます。
自分では調子が良いと感じているため、
気分がよくなったと治療を中断してしまうことがあります。
双極性障害の治療方法
双極性障害の治療としては、
薬物療法と精神療法、心理教育などがあげられます。
とくに薬物療法が大切であり、気分安定薬が主となります。
うつ状態が続いているからといって、
抗うつ薬を使用していると躁状態になってしまうこともあります。
基本的には双極性障害の治療には抗うつ薬は使用しません。
(場合によっては使用することもありえます)
症状に応じて気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなど)ほかに
抗精神病薬(アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピンなど)を使用することもあります。
気分の変動を穏やかにして安定させることが治療の目標となります。
気分が安定することで、日常生活も穏やかに過ごせるようになり仕事や学校、家庭生活も安定します。
また、患者様本人が疾患を理解し、疾患とうまく付き合うためには、精神療法・心理療法も重要となります。
そのため、継続した服薬が必要となります。
双極性障害は入院が必要?
双極性障害で入院の適応は以下のようなケースが考えられます。
<入院を考えるとき>
・著しい躁状態(幻覚妄想状態、興奮状態など)の時
・またはうつ状態にて日常生活がつらい、食事がとれなかったり生活リズムが安定しない時
・希死念慮や自殺企図などあるとき
双極性障害、うつ病に関するお悩みやご相談は専門家へ
「双極性障害」「うつ病」では、専門医療機関での早めの治療がとても大切となります。
不安な点がございましたらまずはお気軽にご相談ください。